2008年12月26日

環境NGO ezorock 草野さん@

『50年後も野外で気持ちよく音楽を聞いていたい』

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環境NGO ezorock 草野 竹史さん

2000年の夏、「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2000 in EZO環境対策ボランティア」に参加、「ごみを拾わない環境対策」との出会いは衝撃的だったと語る草野さん。北海道のことは北海道の人の手でやろう」という想いから始まって10年。「環境は多面体、いろいろな切り口でアプローチを続けたい」と活動する草野さんにお話をうかがった。



ごみを拾わない環境対策」との衝撃的な出会い。

インタビュアー(以下EC):環境NGO ezorock(以下ezorockと略します)の代表として、様々な環境活動に取り組んでいる草野さんですが、環境活動に取り組むきっかけをお話ししていただけますか?

草野さん:はい、もともとは大学生の頃に環境系の学科に進んではいたのですが、漠然と環境問題をなんとかしたいなぁという思いがずっとありまして、僕が気になっていたのがお祭りのごみだったんですね。

お祭りが好きだったんですけど、お祭りは華やかな面がある裏で、ごみがごみ箱からボロボロってこぼれたりしてすごく散らかっていて非常に気になっていたんですよ。

大学2年生くらいに某大学の学園祭を写真に撮ったんですけど、華やかな露店が出ているのその裏でごみ箱がごみで崩れている写真を撮ったんですね。これって本当に光と闇だなぁと思って、その写真を合成して1枚の半分をカラーで、もう半分をモノクロに加工して表現したりして、何か気になっていたんですね。

そういう時に、たまたま2000年の時の「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2000 in EZO」(以下RSRと略します)という石狩のイベントでごみの対策をするというボランティア募集というのを見つけて、ごみ拾いする気満々で行ったんですけどごみ拾いはしなかったんですね。啓蒙普及ということを一生懸命やっていたんですけど、その活動が非常に衝撃的で、何万人と来る大規模なイベントで本格的に環境のことをやっている人たちがいること自体衝撃的でしたね。

それともう一つは、それで飯を食っている人がいる。仕事にしている人がいるっていうのを聞いたときに、環境活動って仕事になるんだというのが衝撃的だったんです。

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▲「RISING SUN ROCK FESTIVAL in EZO」
'99年に石狩湾新港で開催されから今年で10年目を迎えた日本初の本格的オールナイト野外ロックフェスティバル。



EC:一般的に環境活動というと、ボランティアという見方が強いですよね。

草野さん:2000年でごみを拾ろうことが良いと思っていた僕の中で、お客さんにごみをその辺に捨てさせないことを訴えるというのが本当に衝撃的だったんです。

更にいろんなスタッフが何人もいる中で、たまたま一時的にお手伝いしている人が僕の1コ年下だったというのにビックリしたというようなことがきっかけですね。

後は小さい頃から動物が被害を受けていたり、森林伐採されているのを見ていて、漠然と問題だなぁと思っていたのがその活動と出会って本格的にこの業界に足を踏み入れたという感じですね。

EC:では、ezorockはその時の活動に参加した北海道の人たちが集まって出来たということですか?


草野さん:そうですね。RSRで環境対策をしていたのが東京のA SEED JAPANという団体だったんですね。それで、A SEED JAPANが石狩で活動する時に北海道のボランティアを募集したんです。なので、コーディネーターは東京からで、ボランティアは北海道の人。僕はボランティアに参加して、そのボランティアに参加した11人と一緒に「北海道のことは北海道の人たちでやろうよ」ということで立ち上げたのがezorockなんです。で、東京のA SEED JAPANも北海道で活躍する団体作ろうよ!みたいな動きがあって、それに乗っかった形ですね。

▲国際青年環境NGO A SEED JAPAN
1992年の地球サミットへ青年の声を届けるために発足した日本の窓口として設立された国際青年環境NGO A SEED JAPANは環境問題の中に内在する社会的不公正の解決を目指し、行動している団体です。




「50年後も野外で気持ちよく音楽を聞いていたい」

EC:では、ezorockの話に移して行きたいと思いますが、活動するにあたってのこだわりや目指すところというのをお話ししていただけますか。

草野さん:団体のミッションというかキャッチコピーで使っている言葉に「50年後も野外で気持ちよく音楽を聞いていたい」という、もともとの思いの根本的な部分があるんですね。

どういうことかと言うと、外で音楽を聞ける環境という音楽があって、青空があって、緑があって、空気がおいしくて、そういうところで聞く音楽は最高に気持ちいいと思っていたので、それが50年後も可能かと言うと、今のままで行ったら不安なんですね。

環境問題、温暖化やごみの問題とかいろんなものが今見えてきている中で、本当に50年後に気持ちよく音楽が聞けるのか?と言う疑問がありまして、誰かがやってくれるだろうじゃなくて我々青年層が50年後の自分や子どもというのに責任を持つために今から活動することがあるんじゃないかという考えの基に展開しています。なので、活動している中心メンバーは青年層の10・20・30代というのが中心になっています。

EC:草野さんの活動のきっかけとなったのがRSRということですが、私はRSRには行ったことがなくて、その前身というのでしょうか、当時全盛期だったBOOWYとかが来た北海道ロックサーキットの時にしか足を運んだことがないのですけど…

草野さん:うわぁ〜、僕その頃のロックの方が好きなんですよ(笑)。 そのときBOOWY来てたんですか〜!

EC:むちゃくちゃかっこよかったですよ!おそらく私が20代前半くらいのころが野外ロックフェスの走りだったんじゃないですかね。その走りのころに行ったきりで、その時は環境対策なんてやってた記憶はないし、当時環境なんて意識もなければ、問題すら考えていない、学校で四日市とか水俣とかの問題は教えられて来たけども環境問題ではなく公害問題としての認識くらいでしかありませんでしたね。



RSRでの成果

EC:おそらくRSRがスタートした10年前あたりが、環境問題という切り口で一般の人に広まり始めた時期じゃないかと思うんです。それからちょうど10年、環境問題の移り変わりとリンクしたような形でRSRが続けられ草野さんが活動して来られたのですが、10年前のスタート時と今のお客さんの意識の変化は見られますか?また、ごみの量は昔と比較してどれくらい減っているのかと言うことを教えていただけますか?

草野さん:2000年、2001年のときは、環境なんて意識はないですよね。ロックは取りあえずその辺にごみは置いといて楽しむという時期だったと思うんですけど、大量生産・大量消費の象徴的な感じですね。なので、仕組みも上手く出来ていなかったというのもあるのでしょうけど、誰かがカップとかを置いたものがごみ箱となって、そこにみんながごみを置き始めてごみの山になるというのが、会場内にあちこち出来ていましたね。

特に2002年の時は、悪く言えば失敗した大変な年だったんですけど、人があまりにも多すぎて、ごみ箱で分別どころじゃなくなってしまったんですね。袋を広げるとウワァ〜と人がごみを捨てに来て、分別する間もなく一杯になってしまうという状況で、すべてのごみ箱がパンクしてしまいましたし、イベントの最後、分別されていないごみの山があちこちにあって、20人くらいの僕たちコーディネーターが会場のごみ袋を一つずつ開けて中からごみを出していたんですけど、終わるわけもなく…(苦笑)

EC:それはすごい状況ですね。

草野さん:本当にそんなことがあったんです。その年、全部の活動が崩壊したんです。ごみの中には、スイカがまるごと捨ててあったり、テントやバーベキュウコンロもあちこちに捨てられていて、もちろん焼肉の網なんかものすごい量がそのまま放置されている状態でしたね。

それで、2003年に建て直しをして、2004年にごみの13分別を始めて呼びかけをしたんです。それから浸透してきて、変化を感じたのは2006年くらいからですね。

2006年には初めてリサイクル率70%、50〜60t出るごみの中の約70%が何らかのリサイクルになっているという成果が出て来ました。今一人当たりのごみの発生量が800gくらいで、もともと1kg超えていたんですね。それが2〜3年の間に一気に減ってきて、今はペットボトルのキャップとラベルなんか剥がすの常識みたいな、逆にこちらから何も言わなくても来場者が勝手に剥がしながら捨てに来るという意味でもかなり意識が変わってきていることが分かりますね。

EC:見えないところで大変な努力があったんですね。客層としてはやはり若い人が多いのですか?

草野さん:そうですね。20代後半が多いですね。

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EC:50年後という目標もあって、音楽と共にこのような問題を若い人に伝えていくことが出来る場としてRSRというイベントは貴重な場なのかもしれませんね。

草野さん:昔はこういうことやっていると「偉いね。」と言われていたことが、今はやって当たり前だなみたいな雰囲気というか評価というか浸透してきている感じが昔よりありますね。昔は特別な人や特殊な人しかやらないという見られ方をしていたのが、最近はそういった感じが無くなって来てますね。

EC:最終的に分別が当たり前になって、ごみ箱に人が張り付かなくてもみんなが普通にごみを分別して置いていくのが理想ですよね。そこにかなり近づいてきている様子が見られるということですね。

草野さん:決して後退している感じはありませんね。



次回パート2ではRSR以外の環境NGO ezorockが取り組む環境対策や人材の育成などのお話をお聞きします。


▲環境NGO ezorock
「野外で気持ちよく音楽が聞ける環境を残すために持続的に安心して暮らせる社会」を実現する」「50年後を見据えて北海道の若者から発信していく」「音楽をはじめとする身近なライフスタイルから環境の大切さを伝えていく」「環境問題の根底にある社会の構造を見据えて活動していく」「上記3点に関係する団体・個人をつなぐネットワークづくり」を目的に活動する市民団体。

ホームページ
http://www.ezorock.org/

posted by beatnik at 00:00| インタビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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