2010年01月05日

キャンドルナイト 岡崎さん@

「電気を消して、スローな夜を」

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さっぽろキャンドルナイト実行委員長 岡崎 朱実さん

「キャンドルナイトに取り組む団体や企業、レストラン、カフェなどと、そこに参加する市民の輪をゆるやかにつなげて、広げていきたい」本業を通した環境への取り組みを行う団体などの情報を提供しつつ、自らも市民の目線で活動を展開する岡崎さんにお話を伺いました。




1986年チェルノブイリ原発事故

インタビュアー(以下EC):環境に関する活動を幅広く展開されている岡崎さんですが、「さっぽろキャンドルナイト」を中心にお話を伺いたいと思います。また、岡崎さんの地元江別市での活動も伺いたいと思いますので、よろしくお願いします。

岡崎さん:はい、よろしくお願いします。

EC:では、初めに岡崎さんが環境問題に興味を持つことになったきっかけをお話していただけますか?

岡崎さん:遡ればきっと子ども時代になってしまうんですけど。羽仁もと子さんの思想を受け継いで毎月出されている「婦人之友」という雑誌があって、もう100年くらい続いているんですよね。その読者会が全国にあって、それぞれの地域で友の会というのがあるんです。私は九州の佐賀県で3歳くらいから高校まで育ったんですけど、その時に母親が友の会に入ってたんですね。そこは幼稚園に入る前の子どもたちを集めて生活団という週に1回くらい親が自分たちで子どもたちを遊ばせて、色んな生活習慣を身につけるというようなことをやっていて参加していました。確か、キャッチフレーズは「よく見る、よく聞く、よくする子ども」。このことがきっかけなのかも知れないんですけど、それだとあんまり面白くないですね(笑)。

もう少し最近の話でいくと、私は1986年の4月に北海道に来たんですが、1986年はチェルノブイリの原発事故が起きた年なんですね。事故は4月26日だったんですが、その時は私もまだ何も分からなくて、近所の奥さんが「チェルノブイリの原発事故が起きて、子どもに飲ませる牛乳とか怖いわね〜」って話をしてたんですけど、私は「あ〜そうですか」みたいな感じでスルーしてたんですね(笑)。

それから2年くらい経ってスパゲティから放射能汚染が見つかったとか、お茶などからも見つかったというのがあって身近な感じがしたんです。また、その頃ちょうど泊の原発の稼働を翌年に控えていて、じゃあその原発の事故が起きたらどうなるんだろうか?とか、事故は起きないって言われているけれども、もし起きたらとんでもないことになるような物(=原発)に依存している私たちの暮らしってなんだろうか?って思って、色々情報を得たいと思ったけれども、情報がなかなか手に入らなかったんです。それで、情報がないなら自分たちで学ぶ機会を持ちましょうっていうことで始めたのがきっかけですね。


▲チェルノブイリの原子力発電所事故
1986年4月26日午前1時23分(モスクワ時間)に、ソビエト連邦(現在ウクライナ)のチェルノブイリ原子力発電所の4号炉が起こした事故。4号炉が爆発して放射性降下物がウクライナやロシアなどを汚染した。事故後、ソ連政府による対応の遅れなどが重なり、史上最悪の原子力発電所事故となった。


EC:では、北海道に来てから活動が始まったということですね。

岡崎さん:はい。それまでは私も働いていたので、時間が全然なかったということもあったんでね。

EC:そこから「江別きれいな風の会」が生まれたということですね。

岡崎さん:そうですね。その「江別きれいな風の会」という団体が出来たのも、なんかみんなで集まって勉強会を開きたくって公民館を借りるとするじゃないですか、でもその頃は個人には貸してくれないんですね。今は分からないけども、当時は団体がないとダメっていうことで便宜上団体を作ったということだったんです。それから、当時は、市民がアピールする場所というのはフリーマーケットでブースを出すぐらいしか無かったという状況だったんですね。でも、ブースを出すというのはちょっと違うよな〜みたいな感じで、じゃあ自分たちが学んだこととかを発表出来るような場所があったら良いよねってことで始まったのが環境広場だったんです。

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EC:そういう経緯があったんですね。プロフィールを見ると第1回「えべつ環境広場」の開催とそれを運営する「えべつ地球温暖化対策地域協議会」の設立まで年数が離れていますが、その期間は「江別きれいな風の会」を中心に活動されていたんですか?

岡崎さん:「江別きれいな風の会」では勉強会をやっていましたが、少しずつ札幌での活動が多くなってきて、環境友好雑貨店「これからや」で働いたり、「循環ネットワーク北海道」での活動が中心になりました。

EC:現在は「江別きれいな風の会」での活動はされてないのですか?

岡崎さん:会はあるんですけど、私の方が参加していなくてね(笑)。江別では「えべつ地球温暖化対策地域協議会」で活動していますが、今はほとんど札幌に来ているという感じなんでね。20年もやってると、だんだんライフスタイルが変わって来るじゃないですか。それで、ウエートの置き方が最初は江別でと思って活動していたんだけれども、色んなところに関わるようになって違うことの方にウエートが置かれて来ているという感じですね。



「世界に誇れる環境文化都市さっぽろ」の実現を目指して

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EC:では、「さっぽろキャンドルナイト(以下、キャンドルナイト)」のお話を伺いたいと思いますが、『1年中で一番昼が長い夏至の日、夜8時から10時の2時間、みんなで一斉に電気を消して、スローな夜を過ごそう。』ということで2004年から始まった「さっぽろキャンドルナイト」ですが、この取り組みが札幌で始まったきっかけなどをお話ししていただけますか?

岡崎さん:「キャンドルナイト」は、2001年にアメリカのエネルギー政策に反対してカナダから始まった自主停電運動が発端で、2002年にこのカナダの運動を見て「日本でもやってみよう」ということで実施されました。2003年から省エネや平和、世界で起きている出来事や人々のことなどを考えたりして、ゆるやかにつながって「暗闇のウェーブ」を地球上に広げようということで「100万人のキャンドルナイト」として全国に呼びかけが始まって、「さっぽろキャンドルナイト」はその呼びかけに賛同して、札幌市内の様々な取り組みをゆるやかにつなぐことで広くみんなに知らせて「世界に誇れる環境文化都市さっぽろ」の実現を目指そうということで取り組んでいます。

始めるに当たって経緯はいくつかあるんですけど、ひとつは「札幌市環境プラザの運営を考える懇談会」をきっかけとしたものです。その話し合いの中で、札幌市環境プラザが色んな情報の拠点とか、活動の拠点とかになるべきところだろうということで、みんなが集まって色んな活動を発信できる場面として、「アースデイ」のちっちゃいやつをやってみたり、地域の取組を、環境プラザで緩やかにつないで発信する「キャンドルナイト」とか、そういう様なものをやってみようという動きがあったんですね。

もうひとつは、私が「北海道グリーンファンド」や「さっぽろ地球温暖化対策地域協議会」で活動している中で、「キャンドルナイト」の取り組みって、市民だけでなく色んなお店とかも入れるかなって思って、それで札幌市が中心となることでもっと間口が広がって、みんなで関わっていけるものになるかなという思いがあったんで、「さっぽろ地球温暖化対策地域協議会」として事務局の小林さんや、メンバーの高橋さんなどと一緒に札幌市に「キャンドルナイト」を一緒にやりませんか?という話をしに行ったという経緯があるんですよね。それで、札幌市もそういうのをやりたいと思っていたところで、じゃ一緒にやりましょうということになったんです。

1年目は札幌市が色んなレストランとかを集め、私たち市民団体は色んなイベントを持ち寄ったり、企業に消灯を呼びかけたりして、それを「さっぽろキャンドルナイト」という形にして行くというものでした。個々のイベントを呼びかけ、それを集約する役割を果たすという感じで始まったんですね。最初から常に言っていたのは、どこか一カ所でデンと大きいのをやるんじゃなくて、一個一個やってることをゆるくつないで、みんなで一体感というか連帯してやってるね〜みたいな感じのものになると良いな〜と、そして、その中に札幌市がいたり、企業がいたり、市民団体がいたりして輪が広がっていけたら良いねというところで始まった訳なんですね。

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EC:現在は認知度も高くなっていますが、「キャンドルナイト」が多くの人たちに受け入れられて広がっている魅力ってどこにあると思いますか?

岡崎さん:自分のところらしく出来るところかなって思います。それぞれがこうやらなくちゃいけないとか決まってなくって、たえとば、お店だったら、自分の場所で自分のお店の形態とかやり方を活かしながら出来ることかなって思うんですよね。尚且つ、環境に関するメッセージを発信出来るっていう。だから無理せずに参加出来るし、発信出来て、そいうことに答えてくれる人に出会うことが出来るとか、そういう発信をしていることを受け止めてくれるお客さんがいたんだということが気づけたりとか、そういうことが魅力かなと思うんですよね。

EC:内容が分かりやすかったりキャンドルというアイテムがあったりして、家庭でも気軽に取り組めるというのも良いなと思います。次の人に伝えて行きやすいから広げやすいというのが「キャンドルナイト」の良いところでもあると思いますね。

岡崎さん:最終的には色んなお家でというのがあるんですけども、私としてはお店が良いと思うのは、特別のことをしなくても自分のところの企業活動を通して環境への取組が出来るっていう点ですね。参加している人たちもなんか札幌市がやってることに協力出来ているとか、みんながやっていることに協力出来ているとか、発信出来ているとかそういう様なことがちょっと出来るっていうのが嬉しかったり、ちょっと誇りに思えるっていうところがあるのかなって気がするんですよね。

EC:なるほど。確かに入ったお店で「キャンドルナイト」をやりますって聞くと嬉しくなりますね。

岡崎さん:それで、近所のあの人もやってるんだって思うと、ちょっと嬉しかったり誇らしかったりというのがあるのかなって思いますね。また、認知が高まったというのも、まわりの環境に関する色んな取り組みがあるから、それと同じように上がってきたと思うし、「キャンドルナイト」だけ認知度が上がってきたということではないと思うんですよね。



「キャンドルナイト」を通して地域とつながる

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EC:「さっぽろキャンドルナイト」の報告書が完成しましたね。

岡崎さん:はい。延び延びとなっていましたが、やっと完成しました。

EC:今年も様々な企画がありましたけど、毎年参加している有機八百屋「あすらん」さんのお化け屋敷は、地域のイベントとしても定着しつつあり、キャンドルナイトの啓発企画としても面白い視点ですよね。

岡崎さん:ここの「あすらん」の有塚さんも言ってるんだけど、毎年近所のお客さんたちも一緒にイベントに関わって楽しんで盛り上げてくれるし、子どもたちも楽しみに待っていてくれているんですね。それで最初はお化け屋敷が怖くて中に入れなかった子どもが次の年は中に入れるようになったりとか、そういった子どもたちがだんだん成長していく姿を見ることが出来るというのが嬉しいですよね。「キャンドルナイト」を通して地域の人たちのつながりが広がっていってすばらしいと思います。

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岡崎さん:それともう1つ、菊水の銀座商店街もすごくて良くて、ここって全部で7店しかない商店街なんです。環境友好雑貨店「これからや」さんを通じて、キャンドルナイトのイベントが始まりました。

EC:実は昔、この商店街の近くに住んでいたんですよ(笑)。それで「これからや」さんのことは前から知っていたんですね。ただ当時は環境問題とか感心を持つ以前に何も分かってもいなかったりして、店の前を通る度になんか不思議なお店があるなって思っていました(笑)。

岡崎さん:あそこ実は昔は喫茶店だったんですよ。それで「これからや」の由佳ちゃん(東由佳子さん)の知り合いがオーナーであそこを持ってたことから、「これからや」を始めることになったんですが、「これからや」がどうして出来たかというと、彼女のご主人が「ひがしリサイクルサービス」っていう資源回収をやっている方で、その東さんの話で印象的だったのは、野菜とかの生産者は良い物になるように努力する訳だけど、資源の場合はそうではなく「市民は資源の生産者なんだ」けれども、その資源をよりよい資源にするような努力をしていないということ。東さんは、「ごみじゃなくて、これは資源なんだ」「市民は資源の生産者なんだ」ということを伝えながら、ただ単に普通に資源回収をするだけじゃなく、色んな人が関わって資源回収するような形の仕組みを作ろうと活動している方なんです。

それで、1991年とかもうちょっと前というのは、みんな一生懸命牛乳パックなどのリサイクルとか資源回収に取り組むんだけども、その後作られた物が、まだあまり使われていなかった。リサイクルされたトイレットペーパーは使わなければそこで循環の輪が切れちゃうじゃないですか。それで、ちゃんと繋がって行くんだということをアピールしていく、示していくということでお店がいるよねっていうことで出来たのが「これからや」さんなんです。

最初は、牛乳パックのティッシュペーパーとかトイレットペーパーとか、そのころは茶チリの三徳なんかがあったんですけども、そういうものを売ってたんですね。今はフェアトレードとか石鹸とかに広がってきてるけど、そういう中で近所の人たちともつながりながらやっていこうと一生懸命由佳ちゃんが商店街に入ってお祭りとかをやってきていて、それで「キャンドルナイト」やるよって声を掛けたときに、「これからや」も一緒にやるってことでここまでずっと関わってきてくれてたんです。

で、今年は商店街の近くの照願寺というお寺さんを使って「キャンドルナイト」をという話になって、そうしたらお寺の住職さんの弟さんがバンドをやってるということで、バンドの人たちも呼んで発表会もやるっていうことになったんです。そうするとお寺さんだから近所のお年寄りから子ども連れの家族とかも来るし、バンド仲間の連れとかも来るし、なんかものすごく面白い空間だったんですよね。

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EC:レストランとかだと、どちらかというと大人相手になってしまうじゃないですか。そういったことでも先程のお化け屋敷もそうですけど、年齢層が幅広くて良いなと思いますね。

岡崎さん:そうですね。それでここの住職さんはすごいんですよ!着ぐるみを着てみんなの前に出てきたと思ったら挨拶もたった一言だけで、一体今の何だったのって感じですごく面白いんですよ(笑)!

EC:以前ezorockのイベントでもこのお寺でやったんですけど、住職さんが一番踊ってましたからね(笑)。こんな住職さんいるんだってびっくりしましたけど、こういうきっかけですごく親近感が湧いて、お寺を使うのってすごく良いなと思いました。

岡崎さん:バンド以外にラブフルートとかも呼んだんですけど、そういう方への謝金とかは、商店街のみんなが焼きそばを作って販売したり、ビールや飲み物とかも販売して、その中で回していくという形を取っているんですね。商店街の会長さんが飲み物まだありますから〜ってみんなに声を掛けたりしてね。

EC:アットホームな感じで良いですね。

岡崎さん:そうそう、すごく良いんですよ。

EC:「キャンドルナイト」っていうと何となく教会というイメージが湧いてしまいますけど、考えたらお寺ってものすごくロウソクの量を使っていますよね。で、それを上手いこと使っていてすごく良いなと思いますね。キャンドルナイトの発祥の地はカナダだけども、それこそ宗教までも越えて、そして子どもから年配者まで一緒に楽しんで取り組めるって本当に良いなって思いますね。




次回は地元江別市での活動や企業の責任などのお話をして頂きます。



▲さっぽろキャンドルナイト
さっぽろキャンドルナイトは、『1年中で一番昼が長い夏至の日、夜8時から10時の2時間、みんなで一斉に電気を消して、スローな夜を過ごそう。』という100万人のキャンドルナイトの呼びかけに賛同し、札幌市内で開かれる様々な取り組みを、「広く市民に知らせる」ということで、「世界に誇れる環境文化都市さっぽろ」の実現を目指すものです。



さっぽろキャンドルナイト
http://www.sapporo-candle-night.com/




posted by beatnik at 09:27| インタビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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