2010年11月10日

札幌市環境プラザ 高森さん@

「環境を通してつながっていくことが大切」

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札幌市環境プラザ 高森美希子さん

「身近なことから世界規模までの環境問題を知る入り口的役割として、利用する人たちの様々なニーズに応えていきたい」「日常生活の中で、自分たちに何が出来るかということを考えるきっかけになれば」と来館者との関わりを大切にする高森さんにお話を伺いました。





グループ活動が色々な場面で評価

インタビュアー(以下EC):今回は「札幌エルプラザ公共4施設(以下エルプラザ)」の中の一つで、様々な展示物から環境について学んだり、情報発信の場として多くの市民に利用されている「札幌市環境プラザ(以下環境プラザ)」の高森さんにお話を伺っていきたいと思います。今日はよろしくお願いします。

では環境プラザのお話を伺う前に、高森さんは環境プラザを含むエルプラザを管理している「財団法人札幌市青少年女性活動協会(以下財団)」に所属されている訳ですが、財団がどういった活動をされているのかを教えていただけますか。

高森さん:当財団は昭和55年に、「グループ活動の振興を図り、青少年の健全育成、青少年・女性の社会参画を図ること」を目的として設立されました。

設立当初はグループ活動の指導や、野外活動、レクリエーションなどの指導や他団体からの依頼によるプログラムの企画・提供などが主だったのですが、グループワークという手法が色々な場面で評価を頂いて、現在では札幌市内の様々な施設の管理運営をさせて頂くような財団に成長しました。

当財団は環境プラザを含め多くの札幌市の施設を指定管理者として管理運営しています。札幌市内104ヵ所ある「札幌市児童会館」や今年度「勤労青少年ホーム」から「札幌市若者支援総合センター・若者活動センター」に名称が変わりましたが、若者の仲間づくりや交流のサポート、地域と若者をつなぐ拠点として様々な事業を展開しています。また、札幌市の受託事業として「札幌市ミニ児童会館」(66館)の管理・運営も行っています。

そのほか、「札幌市定山渓自然の村」という野外施設では、家族連れや小グループでキャンプなどの自然体験が出来る施設として利用いただいています。ここでは職員も様々な自然体験プログラムを提供していて、薪割り飯ごう体験会やドラム缶風呂などのプログラムを用意しています。今年の4月には滝野にある宿泊体験施設「札幌市青少年山の家」と南区にある「札幌市北方自然教育園」の2つを新たに指定管理者として管理運営することになり、環境プラザと自然活動が出来るフィールドとが連携し事業を展開していけたらと思っています。

EC:なるほど。色々なところと連携があると気づきの場が広がって良いですね。

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高森さん:特に自然の村では、四季折々の自然や動植物を楽しむこともできますし、コテージやテントハウスなどの宿泊施設も選ぶことが出来て、設備も環境も充実しているんですよ。

EC:先日、定山渓方面に行くことがあって、自然の村に寄ろうと思いましたが、その日は記念植樹会があったらしく駐車場が一杯で、あきらめて帰ってきてしまったんです。

高森さん:それは残念でしたね〜(笑)。夏場は結構混み合っていて、たくさん予約が入ってるんですよ。それこそ我々も活用しようと思っているのですが、夏場はなかなか予約が取れなくて(笑)。

EC:冬も運営されていますよね。

高森さん:ええ、冬はスノーシュー、歩くスキーなどのプログラムもあって、冬ならではの楽しみ方もあります。

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高森さん:「札幌市こども人形劇場こぐま座」と「札幌市こどもの劇場やまびこ座」も管理運営しています。こぐま座は中島公園にあって、公立では日本初の人形劇の専門劇場です。アマチュアサークルの方たちの人形劇や紙芝居、腹話術なども上演しています。また、やまびこ座は東区にあり、人形劇や児童劇といった児童文化の継承の場として市民とともに創りあげていく劇場を目指しています。人形浄瑠璃の上演なども行われているんですよ。

EC:子ども向けのイメージだったのですが、人形浄瑠璃なども上演されているということで、大人が見ても十分見応えのある、幅広い世代が対象だったんですね。

高森さん:そうですね。また、舞台も近いので一体感を楽しめます。


学校や親とも違う、でも自分の存在を認めてくれる大人

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EC:高森さんが財団に入るきっかけを教えていただけますか。

高森さん:学生の頃、児童専攻で子どもの文化や教育、心理学を学び、児童会館の仕事につきたくてこの仕事を選びました。子どもが大好きで子どもと関わる中で、学生の時に培ったことを活かせたらという気持ちが強かったんです。学校教育ではない地域の中のフィールドで子どもたちと関わりたいと思ったんです。私にとってそれが児童会館でした。

EC:では、財団に入ってから環境プラザに到るまでの高森さんの活動の経緯を教えて頂けますか。

高森さん:最初は児童会館の指導員として、札幌市内の児童会館をいくつか経験しました。当時は子どもたちから「ミッキー」と呼ばれ(笑)、「ミッキータイム」というみんなで遊ぶ集団遊びのプログラムなどをしていました。道具を使わずに、鬼ごっこやみんなで考えた遊びなどをする集団遊びを、4時半から5時くらいに会館の後片付けが終わってから、館内にいる子どもたち全員で体育館に集まって楽しんでいました。

EC:子どもの頃は私も良く学校から一度家に帰って、それから児童会館に行って遊んでいました。児童会館って学校の延長のようだけどちょっと違う、学校よりももう少し伸び伸び出来る場所のイメージがありましたね。それでちょっと安心できる場所だったと記憶しています。

高森さん:そう言っていただけると嬉しいです。まさに子供たちが安心して遊べる、そして色々な子どもたちとつながることが出来る場所を目指しているのが児童会館です。なかなか異年齢で集える場所ってないと思います。学校だと同じ学校の子供たち、同じ学年、同じクラスがメインの友だちになりますが、児童会館は違う学校の子どもたちが出会ったり、中学生や高校生も居たりしてバラエティに富んだ交流ができる場所なんです。

EC:先ほどいくつかの児童会館を回られたと伺いましたが、何ヵ所くらい回られたんですか。

高森さん:最初は手稲区のあけぼの児童会館、その後北区のエルムの森、次の清田中央では指導員から館長として勤務しました。そして新設児童会館立ち上げの準備から関わった西区の新発寒の4ヵ所です。

札幌市では中学校区に1館、児童会館を設立するという目標があって、100館構想が達成されたのですが、その後中学校区に1館だと場所によっては児童会館から遠い小学校の子どもたちは通えない状況があったんです。そこで「ミニ児童会館」といって、学校の空き教室を利用した児童会館が開設されました。本当なら学校が終わってランドセルを一度家に置いてから児童会館に来ないといけないのですが、「ミニ児童会館」は学校の中なので、生徒は学校帰りでも親御さんにきちんと言っておけばそのまま遊んでから帰っても良いんです。また、その中に児童クラブという留守家庭の1年生から3年生までのお子さんを預かるクラブというのもあるんです。

EC:最近は少子化で、子どもたちの来館数も少なくなってきていませんか。

高森さん:それが、留守家庭のお子さんは増えていて、児童会館はたくさんの子どもたちで賑わっていますよ。

EC:最近だと外で遊ぶ方が危険だということがあるかもしれませんね。

高森さん:親御さんも児童会館に行ってくれると安心といったところもあるんだと思います。

EC:やっぱり安心感はありますよね。そういうことを考えると、本当に児童会館って子どもを通して大人や地域にも深く関係しているんだなと思いますね。

高森さん:そうなんです。地域に根ざした児童会館を目指していて、地域の人たちのコミュニティの場であったり、子どもを介して地域の大人たちが子どもの成長を温かく見守っていけるようなそういった場でありたいですね。

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EC:前にボランティアで児童会館に行って、ゲームやキャンドル作りを手伝ったことがあって、児童会館に来ている子どもたちがみんな兄弟みたいな感じで、年上の子が年下の子の面倒をみていて、すごく微笑ましかったです。

高森さん:そうですよね。児童会館の集団の中での役割がちゃんと出来ていて、子どもたちの中でも自分より小さい子の面倒は見てあげなきゃとか、そういう子どもたちの成長を促す場所でもあるんです。だから児童会館では子どもたち同士も職員もすごく濃い時間を過ごしてきたと思います。私が初めて勤務した児童会館に来ていた子どもの中には、すでに成人している子どももいて、環境プラザに遊びに来てくれたりするんですよ。

EC:それは嬉しいですね。

高森さん:そうですね。大人に成長した彼らは、「学校とは違う、親とも違う、でも自分の存在を認めてくれる大人」という意味ですごく児童会館の職員は大切な存在だったんだっていう話をしてくれるんです。子どもって色んな顔を持っていて、学校の顔と家庭の顔と児童会館の顔って全然違うんです。

EC:なるほど。子どもたちにとって、児童会館の職員も大人の役割の一端を担っているという訳ですね。

高森さん:すごく責任のある仕事だと思います。最初の頃はこんなに毎日楽しく子どもたちと遊んで給料を頂いて良いのかな〜って思いました(笑)。でも、子どもたちが大きくなって、「児童会館で色々な影響を受けたな〜」とか「実はあの時、言われたことを今でも覚えてるんだ〜」と言われるたび、言葉ひとつにも責任を持たなくてはと実感します。その分やり甲斐もあって、「あのとき認めてもらったことが、今でもすごく心に残ってるんだ」とか、「真剣にあんな風に叱ってくれたことが忘れられないんだ」って言われたりすると児童会館で働く醍醐味だな〜って思ったりしますね。

EC:学校や家庭にない、身近な大人の役割として児童会館は深いですね。

高森さん:児童会館はすごーく深いんですよ。

EC:私は北広島市なので、児童会館が無いのが残念でなりませんね。

高森さん:子どもたちの遊びや育ちの場ということもありますし、例えば小さなお子さんを持ったお母さんが一人で子育てに煮詰まったりというような時に、児童会館に来たら他のお母さんたちとの出会いがある。お母さんたち同士をつなぐ役目を職員がしたり、仲間やグループが生まれる手助けが出来ればいいですね。それはもう子どもであったり、大人であったり、地域に住むお年寄りもそうですね。

例えばひとり暮らしのお年寄りが、子どもの声が懐かしいなとふと児童会館に立ち寄ってくれたら、児童会館って畑も作っているので、畑づくりのノウハウをいただいたり、一緒に畑を作ったり、子どもたちも良い経験になりますよね。児童会館を介して、地域に暮らす人たちと色々なつながりやふれあいを持てていけたら良いと思っています。

EC:児童会館は児童だけというイメージでしたが、児童を介してみんながつながる会館だということですね。

高森さん:子どもを介して色々な形でつながって行くことが出来るふれあいや交流の場というか、地域に暮らす人たちと共に会館を作っていくというのが理想ですね。

そのあとに現在は「札幌市若者活動センター」に名称が変わりましたが「勤労青少年ホーム」の方に約3年いました。ここは働く青少年の余暇活動の場で、サークル活動やイベント、講座を行い、仲間づくりをサポートしていました。仕事が終わった後に青年が集まる夜の児童会館という感じです。

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高森さん:自分たちでサークルを立ち上げたり、興味のあるイベントに参加したり、文化系もあればスポーツ系のサークルもありますが、一つのサークルだけで活動していても交流が広がらないので、色々なサークルが集まって交流会やお祭り、イベントを行う中でつながりや交流を深められるような工夫をしていきます。

毎日が学校祭みたいな感じで、みんなが夜集まってあんなことやりたいこんなことやりたいって盛り上がるんです。青年たちが自分たちでやりたいことを実現するための手助けがどうできるかが職員側の腕の見せどころでしょうか。

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高森さん:名称が「若者支援総合センター・若者活動センター」に変更になりましたが、以前と変わったのは名前だけではなく、引きこもりやニートと呼ばれる若者のための相談窓口なども開設し、若者の社会的自立や就労支援などにも力を入れています。若者がセンターを拠点にして、地域のまちづくりに参画をし、若者と地域をつなぐ取り組みも行っています。

その後、館長として児童会館に戻り、菊水元町児童会館に勤務し白石区内にあります9館の児童会館の統括も行っていました。

EC:では現場から離れることになってしまったのですか?

高森さん:いえ、現場も兼務なんです。

EC:ミッキータイムもやりながらブロックも担当すると(笑)。

高森さん:もうさすがにミッキータイムは体力の限界でしたが(笑)、白石Tブロック主査という形で兼務していました。その後東区の新生児童会館を経てに環境プラザへやって来たという訳です。


次回は札幌市環境プラザの施設概要などをお届けします。





▲札幌市環境プラザ
色んな環境問題について知ったり考えたりする施設として札幌市内中心部に位置し、様々な展示物で環境について学んだり、環境に関する情報を発信したりと、札幌市における環境活動の拠点施設としての役割を担っています。



札幌市環境プラザ  http://www.kankyo.sl-plaza.jp/
環境プラザブログ  http://www.kankyo.sl-plaza.jp/blog/



※現在、高森さんは「札幌市こども人形劇場こぐま座」にて勤務されています。
札幌市こども人形劇場こぐま座  http://www.syaa.jp/sisetu/gekijou/kogumaza/




posted by beatnik at 17:57| インタビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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