2009年07月27日

環境サポートセンター 藤田さんA

「環境活動を支援する窓口として」

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北海道環境サポートセンター 藤田 志保さん

「環境学習の場として、また環境を通した出会いの場として多くの人に利用して欲しい。来館される方のニーズに幅広く対応したい」といつも私たちを笑顔で迎えてくれる藤田さんにお話を伺いました。




北海道環境サポートセンターとは

インタビュアー(以下EC):北海道環境サポートセンター(以下サポセン)がどういった施設なのか具体的にお話ししていただけますか?

藤田さん:はい、場所は札幌市中央区北4条西4丁目伊藤・加藤ビル4階です。札幌駅南口大丸前です。

EC:すごく立地の良い場所ですよね。

藤田さん:場所はほんとうに良いんですよ!

開館時間は10時から18時、休館日は土・日曜日、祝日、年末年始です。但し、多目的ホールは21時まで利用可能です。環境活動されている団体などの情報を揃えていたり、活動支援や相談の受付もしています。

また、様々な貸し出し物も用意しており、図書、ビデオ、DVD、パネル、環境学習支援キットなど取り揃えています。環境学習支援キットにはプロジェクターやトランシーバー、デジカメなどと共に水生生物や星空観察キット、冬はスノーシューといった物も無料で貸し出しています。予め予約が必要なのでお問い合せはお早めに!

EC:環境に関する目的であれば誰でもお借りすることが出来るということですね。

藤田さん:はい、基本的に非営利の活動への貸し出しとなります。ただし、図書、ビデオ、DVDは個人の方でも貸し出しをしています。また、多目的ホールだけは有料となっていて、会議やセミナーなどに利用していただいてます。詳しくはホームページか直接お問い合せください。

EC:今日もたくさんのポスターが展示されていますが、こういった活動の発表の場としても場所を提供されていますよね。

藤田さん:はい、環境に関する活動などの展示に関しては、上司に特にアピールするように!と言われたところです(笑)。

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今日展示しているのは環境学習フォーラム北海道さま主催の「〜第11回高校生環境学習ポスターセッション作品展〜」。環境問題に取り組んでいる高校生たちが様々な工夫を凝らした研究の成果発表の場として利用していただいています。この展示は7月14日までなのでこのインタビューが世に出るころには残念なことに終わってしまってるんですけど、こういった展示も無料なんですよ〜!

EC:えっ、無料でお借り出来るんですか!

藤田さん:はい、そうなんです。どんどんみなさんの活動発表の場として利用していただければと思います。特に春は利用される団体様が多くて早めの予約が必要なんですね。今年もほっかいどう漫画集団の「環境マンガ展」や「さっぽろキャンドルナイト」などといった展示をしていたんですよ。でも、夏場はみなさん外での活動が多くなるので、活動発表したい方は夏場の今が狙い目ですね!

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▲環境マンガ展
1965年に北海道在住の漫画家・イラストレーターが集まり「ほっかいどう漫画集団」を結成。活動の一つとして、地球温暖化など深刻な環境問題をテーマにした『環境マンガ展』をサポセンで定期的に開催。ひとコマ漫画を中心に世相を映したマンガを制作、「ユーモア」や「笑い」で明るさを提供してくれます。

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▲さっぽろキャンドルナイト
さっぽろキャンドルナイトは、『1年中で一番昼が長い夏至の日、夜8時から10時の2時間、みんなで一斉に電気を消して、スローな夜を過ごそう。』という100万人のキャンドルナイトの呼びかけに賛同し、札幌市内で開かれる様々な取り組みを、「広く市民に知らせる」ということで、「世界に誇れる環境文化都市さっぽろ」の実現を目指すものです。


EC:環境活動している人たちは使わない手はないですよね。札幌駅前で立地も最適ですしね!


環境プラザとコラボレーション

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藤田さん:それともう一つのアピールポイントで訪問学習の受入をしています。

子どもから大人まで広く受け入れていて、財団職員が対応します。学生さんの場合は事前に学習テーマをいただくので、それに合ったスライドやゲームを行い、質問の対応などもします。

そして今年度から新しく札幌市環境プラザ(以下環境プラザ)さんとのコラボレーションを始めました。

EC:そういう環境関連施設の連携って良いですね!どういった内容ですか?

藤田さん:環境プラザさんの方では展示物を使った解説や太陽光パネル見学、発電自転車などの体験してもらい、サポセンではスタッフ交流に重点を置いて、環境学習講義や環境教育ゲームを行います。また、書籍やパンフレット、イベントチラシなど館内の資料を利用して、対応時間などに合わせた3種類の環境学習プログラムを用意しています。

EC:札幌駅を挟んで北と南にあって、歩いても数分なので立地的にも最高ですよね。

藤田さん:サポセンと環境プラザのコラボ企画のお知らせがイチオシなので、たくさんのお申し込みをお待ちしています!

EC:サポセンには学生や一般市民の方たちだけではなく、我々企業の人たちも利用されていますよね。

藤田さん:はい、図書とかDVDとか教育用の教材もありますし、大同印刷さんのように企業の「環境報告書」なども置けるスペースを用意していますので、ぜひ送っていただいてPRの場にして欲しいですね。

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EC:なんか言わせてしまったみたいですね(笑)。

藤田さん:ちょっとサービスみたいな(笑)。

EC:ありがとうございます!

藤田さん:環境活動を支援する窓口として、個人や団体、企業など様々な方たちのご利用お待ちしています。


ふせぎ隊での経験

EC:藤田さんは財団の事業の一つでもある「地球温暖化ふせぎ隊(以下ふせぎ隊)」の活動にもボランティアとして参加されていますが、ふせぎ隊とはどういった活動をされているのか教えていただけますか。

藤田さん:ふせぎ隊は学校や地域のイベントにお伺いして、地球温暖化の問題を楽しみながら学習し、身近な生活の中で温暖化防止につながる行動に取り組んでもらえるよう、ゲームを中心としたプログラムを提供しています。

EC:ふせぎ隊の活動に参加するきっかけを教えていただけますか。

藤田さん:きっかけは去年の札幌ドームで開催された環境総合展でふせぎ隊のプログラムを体験したことです。その時に子どもと楽しみながら勉強するって面白いなぁ〜って思ったのがきっかけです。

EC:今年は円山動物園のアースデイに参加するということで、新しいプログラムを作ったそうですね。

藤田さん:はい、円山動物園でふせぎ隊がやる環境学習プログラムの中に、動物に関係する物が少ないということでプログラム作りを任されました。「動物」の問題としては「生物多様性」か「絶滅危惧種」かなと思い、自分の中で伝えられそうな「絶滅危惧種」をテーマにすることに決めました。そして動物園という広いフィールドを使って楽しめるよう、ビンゴゲームを交えたプログラムにしようと考えたのです。

▲生物多様性
生命の豊かさを包括的に表した広い概念で、その保全は、食料や薬品などの生物資源のみならず、人間が生存していく上で不可欠の生存基盤(ライフサポートシステム)としても重要である。反面、人間活動の拡大とともに、生物多様性は低下しつつあり、地球環境問題のひとつとなっている。

▲絶滅危惧種
急速な環境変化や移入生物・乱獲などによる原因で、すでに絶滅したり絶滅寸前に追いやられたりしている動植物の種のことである。国際自然保護連合(IUCN)や環境省でも、世界的に増加している絶滅危惧種の保護に乗りだしており、絶滅危惧種の増加原因のほとんどは人間の活動によるもので、その保護は生物多様性の保全の上でも重要課題である。


まずビンゴカードを用いて絶滅危惧種に指定された動物たちの実物を良く観察してもらうこと。観察した後に動物たちが今どういった現状に置かれているかをクイズや紙芝居風の物を用いて説明します。そして最後の締めとして「動物たちがこれ以上少なくならないよう、地球を良くするために自分たちは何ができるかな?」というような事を考えてもらおうというプログラムです。

EC:プログラムを作るにあたって、どのような苦労がありましたか。

藤田さん:私はまだ活動して1年ということもあり、経験が少ないので実践経験を積み重ねたいと思ってたんですが、大好きな動物のためでもありましたし、プログラムを一から作るということを経験してもいいかなって思ってプログラムの作成に取り組みました。

ただ、今までプログラムを作るというプロセスを習った訳でもなかったので、作り方というのをまったく知らなかったので、とりあえず自分なりにプログラムを作るときに考えなければ行けない事を洗い出し、順番に手をつけていきました。そういったプログラムを一から作るというプロセスを考えるのが楽しくて、新鮮でもありましたね。

最初に動物園で参加する子どもたちを想像して、「自分が子どもたちに何を伝えたいのか」「どのように楽しんでもらいたいか」ということを考えました。プログラムを形にした後からが難しくて大変でしたね。「この言い回しは伝わるのか」「どこまで話して良いのか」など、子供たちの立場になって考えるのは難しかったです。だから途中ちょっと苦痛になった時もありました(笑)。

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EC:苦労の末に完成したプログラムを円山動物園で行っていかがでしたか?

藤田さん:はい、それはもう楽しかった!の一言ですね。ふせぎ隊のゲームはいつもテーブルの上でやることが多いんですね。でも、動物園にはもちろん動物もいますし、会場も広くて、私が思い描いていたように子どもたちが伸び伸びとした感じで動物園全体を使って楽しんでいました。

EC:オリエンテーリングみたいな感じですか?

藤田さん:はい、そういう感じにしたかったんです!ただ、アースデイを知らないで来ているお客さんには動物園の雰囲気を損なわないようにということに気を付け、且つ一緒に巻き込んで楽しんでもらえたらなって思ってプログラムを作ったんですね。

実際に子どもたちがビンゴカードを持って、競争して動物園内を四方八方に散らばって行ったのを見たらとても嬉しくなりましたね!もう本当に思い描いていたように子どもたちが動物園内を駆け回ってくれたので、とっても嬉しかったですね!

EC:屋外ということもあって開放的なのが良かったんでしょうね。

藤田さん:ふせぎ隊のプログラムの最後には「自分たちにも地球を守るためにこんな事ができるんだね!」という締めがあるんですけど、イベントだと時間の都合で締めが出来ず、プログラムの中のゲームだけを楽しんで終わりみたいな時があるんですね。そういう締めが出来ない時って、はぁ〜って落ち込むんです。でも今回は上手とは言えないまでも最後まで出来たのが良かったです。

「帰ってお父さんに教えてあげたい」という子どもや「ユキヒョウが絶滅危惧種になっていることを知りませんでした」というお母さんもいて、家族のコミュニケーションにもつながったようでした。また、学校や家庭でごみの分別や資源の無駄使いに気を付けている子どもが多く、反対に指摘を受けている親御さんを見るケースもありましたね。(笑)

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EC:始めて自分で作ったプログラムの手応えはどうでしたか。

藤田さん:時間もあまりきつくなかったので最後までプログラムを行えましたし、会場も広く使えて開放的でとっても充実出来ましたね。

EC:動物園ということもあって、とってもゆる〜い感じの印象ですが。

藤田さん:はい、午前中にスタートした子どもが午後に帰ってきたり、「そういえばユキヒョウのカードまだ返ってこないね〜」とかユルユルでしたね(笑)。でも、ゲームをする事が動物園を楽しむ時間の妨げにはしたくなかったので、良かったと思います。

また、「カードを無くさないように」などといった注意点は、プログラムを作る段階で色々な方からもアドバイスをもらっていたんですね。だからカードを大きくしたりして、無くしたり持ち帰ったり出来ないように作ったのが功を奏しましたね。

EC:一人だけで作るっていうのは難しかったでしょうね。ただでさえ活動して間もないという中で、色々な人に助けられてここまで出来たというのはとっても良い経験でもあり、喜びでもありますね。

藤田さん:そうなんです、サポセンに入って変わったことのひとつとして、ふせぎ隊で経験したこともほんとうに大きいですね。


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サポセンからのお知らせ

EC:では、最後にサポセンやふせぎ隊など、今後のお知らせがありましたらお願いします。

藤田さん:はい、今年も「大通りの打ち水大作戦」をします。打ち水でアスファルトに覆われた都市の気温を和らげようというイベントです。8月2日日曜日の13時30分から16時まで、札幌市南1条西3丁目交差点付近で行いますのでぜひご参加ください。

それとふせぎ隊からのお知らせです。アクセスサッポロで開催される「環境広場さっぽろ2009」で、8月1日の土曜日10時から17時まで(予定)ふせぎ隊が参加します。また、「サタデーinプラザ」と題して環境プラザさんに協力していただいて、施設内でふせぎ隊の教室を毎月最後の週の土曜日、10時〜15時の間に行っています。ちなみに8月は22日です。

9月に入ったら目白押しで、「函館エコフェスタ」や「さっぽろシャワー通り」「ねんりんぴっく」などといったイベントにふせぎ隊が参加します!詳しいふせぎ隊情報はホームページで随時更新されるのでみなさんチェックして参加して来てくださいね!

また、環境学習の場でもあり、環境を通した出会いの場としてサポセンを多くの人が利用していただけるようスタッフ一同お待ちしていますので、気軽にお越し下さいね!

EC:これからも環境活動の拠点として、多くの方がサポセンを訪れると良いですね。今日はどうもありがとうございました。



▲北海道環境サポートセンター
環境保全の活動支援を具体的に行う窓口として、北海道環境財団が運営する施設。環境に関連した図書や展示、いろいろな団体の行事情報などを常設。




北海道環境財団
http://www.heco-spc.or.jp/

サポセンほっこりだより。
http://www.heco-spc.mo-blog.jp/saposen/



※「多目的ホール(貸会議室)」について

本文中にある環境サポートセンターの「多目的ホール(貸会議室)」貸出利用は
4月1日をもって中止となりましたことをお知らせ致します。

詳細は→http://www.heco-spc.or.jp/temp/h17_various/various_187_s.html



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2009年07月22日

環境サポートセンター 藤田さん@

「環境活動を支援する窓口として」

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北海道環境サポートセンター 藤田 志保さん

「環境学習の場として、また環境を通した出会いの場として多くの人に利用して欲しい。来館される方のニーズに幅広く対応したい」といつも私たちを笑顔で迎えてくれる藤田さんにお話を伺いました。




「タネポタアニ」の人たちとの出会い

インタビュアー(以下EC):北海道環境財団が運営する施設「北海道環境サポートセンター(以下サポセン)」のカウンターで、いつも利用する私たちを笑顔で迎えてくれる藤田さんですが、サポセンに勤める前から環境のことや動物に興味があったとお聞きしています。サポセンのことをお聞きする前に、まず興味を持つことになったきっかけをお話していただけますか?

藤田さん:宮の森にある「タネポタアニ」の方たちとの出会いがきっかけなんです。

EC:「タネポタアニ」は昨年宮の森にオープンして、6人のメンバーが一軒家を改造して「衣・食・住」を中心としたエコライフのヒントを提供しているというエコギャラリーですよね。

藤田さん:はい、そのメンバーの何人かは10年以上前からの知り合いで、その人たちと出会ったことが一番大きな影響ですね。

「タネポタアニ」の人たちは昔から環境とかエコという言葉を使っていたわけではなく、日常の生活の中でやっていたことが自然と環境保護につながっていました。私も彼女たちと付き合っていくうちに、気づいたら生活の一つ一つが環境保護とつながっているな〜って共感していったという感じなんです。

「タネポタアニ」の人たちも最初からエネルギーがどうとかいう訳ではなくて、「身体に良い物を食べたいよね〜」とか「ごみをなるべく出したくないよね〜」というスタイルでした。そして「タネポタアニ」とつながっている人たちも同じ感覚の人が多く、一緒にいるとそれが普通みたいな感じになっていったんです。そして徐々に環境関連のセミナーや本を薦めてもらい、自分で情報を得るようになりました。そのような流れから「温暖化」や「環境問題」というものに興味を持つようになったんですね。

難しく考えないで普段の生活で出来ることを気づかせてくれた「タネポタアニ」の人たちの影響が一番大きいですね。



「アースデイEZO」からツナガル

藤田さん:それと、動物の映像を見たときショックだったんですよ。

EC:それはどういった映像だったんですか?

藤田さん:私、一番好きな動物がホッキョクグマなんですよ〜(笑)。

その映像は、温暖化の影響で氷が張らなくてエサを捕ることが出来ず、生まれて1年も経たないようなホッキョクグマの子どもが生き延びることが出来ないという現状を映していたんですね。それを見たときに当たり前なんですけど、動物園で見る動物とはまったく違う現実があるんだと改めて知ってとてもショックを受けたんです。その状況を作りだしているのは私たちの生活と関係ないことではないんだと。

環境問題というのは、起きている現象の直接的な原因だけではなく、その裏には様々な原因や結びつきがあるという事を教えられました。

EC:動物園は以前からよく行ってたんですか?

藤田さん:はい、良く行っていました。実は、実家を出て住みたい場所が円山だったんですね。それは歩いて円山動物園に行きたいというのが一番の理由で!(笑)

EC:円山だと普通はオシャレとかの理由だと思うんですけど、その理由すごく良いですね!(笑)

藤田さん:子どもの頃から動物や自然が好きだったんですね。それに母親の実家が牧場を経営していたので、牛を見ることが好きで、手伝いも喜んでしていました。ただ、よく他の方のインタビューなんかで書かれているように、特別子どもの頃から自然とか動物を守るとかの意識は無かったと思います。

EC:そう言えば円山動物園で開催された「アースデイEZO」の報告書に藤田さんのコメントが載っていましたよね。それはどういったつながりだったんですか?

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▲アースデイEZO
アースデイとは、地球のことを考えて行動する日です。1970年から続くアースデイは大人から子どもまで参加する、世界184の国と地域約5000箇所で行われている世界最大の地球フェスティバルです。アースデイEZOは、北海道各地で行われている様々な取り組みのネットワークのことを言います。


藤田さん:アースディEZOには1年目から参加していますが、そのことがサポセンに入るきっかけにつながっているんですね。

「タネポタアニ」の人たちから紹介されたお店の一つに「オーガニックショップらる畑」という円山で国産の有機野菜やフェアトレード商品なんかを売っているお店があるんです。そのお店に1回目の「アースデイEZO」のボランティア募集のチラシが置いてあったんです。

その頃講演会なんかには行っていたんですけど、「あっ、自分は何も行動していない」って思っていて、そのチラシを見た時に「何かできるかも」と思いボランティアの参加を決めました。そしてその説明会の場所がサポセンだったんです。

初めてサポセンに入った時に、環境に関する沢山の本や資料とか情報があることに驚きました。

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そしてなんとなくアットホームな感じがしてすごく気に入ってしまったんです!

EC:そうだったんですか。

藤田さん:それで「アースデイEZO」の説明会で地球のことを考えて行動しようという趣旨に感動し動物好きの私としては円山動物園会場での参加を選びました。説明会では全然知らない人たちばっかりで心細かったんですけど、出店者なんかの人たちに混ざってボランティアの説明を受けていました。

その時に円山動物園のミーティングがありますから来て下さいねと言われて、夜な夜な動物園で行わるミーティングに参加していました。ミーティングにはボランティアで参加する人はほとんど来ていなかったんですけどね(笑)。ミーティングでは実行委員の方たち、特に動物園関係者の動物に対する想いが聞けて参加して良かったと思いますね。

EC:実は私も同じような境遇で、「アースデイEZO」に参加した時は、右も左も分からないような自分が環境の専門的な人たちに混ざっていて良いのだろうか?と本当にドキドキしてたのを覚えていますね。

藤田さん:1年目の参加の時に私は寄せ書きを担当させていただきました。来場者に「動物たちや地球への想い」のような事を書いてもらったんです。みなさんの気持ちを見ることができた良い企画だったと思います。

アースディを終えた頃から、説明会の時に知り合ったお花のアレンジメントをしている「ジェントルツリー」の阿部さんと交流が始まりました。阿部さんのお店を手伝うことになったんですが、そこで知り合ったのがなんと現在北海道環境財団(以下財団)職員の岡田さんなんですよ。

実はその時、環境分野に関連する仕事がしたいと思い仕事を辞めていたんですが、とにかくサポセンに入りたいという思いはあったんですよね。ずぅーとみんなに「サポセンに入りたい!入りたーい!」て言ってたんですよ(笑)。

ある日、岡田さんから「私の友だちがサポセンに働いていて、今ちょうど募集をしているよ」という情報をもらって、面接を受けて想いが叶って財団の職員になれたということなんです。

EC:「アースデイEZO」がきっかけでサポセンに入った人がいるって聞いたときは、みんな盛り上がりましたからね!

藤田さん:「環境NGO ezorock」の草野さんが「ツナガル、ツナガルって言ってて、一体どこでつながるんだろうか?と思っていたけど、実際にこうやってつながっているのを見られて本当に良かったよ!」って言われました。

EC:「ヒトツニツナガル」がアースデイEZO2007のテーマでしたからね(笑)。



普段の情報収集が大事

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EC:普段はカウンター業務ということで、利用者からの相談や問い合せなどが寄せられると思うんですけど、どういった内容が多いですか?

藤田さん:最近多いのが「NPOを立ち上げたいんですけど」といった内容が多いですね。他の支援施設からの紹介であったりとか、中には直接サポセンに来られる方もいらっしゃいますね。それと、学生さんたちのインタビューなんかが多くなりましたね。

EC:今日も学生さんたち来ていますよね。

藤田さん:はい、今日は酪農学園大学の学生さんたちがインタビューに来られています。先日は北海道大学の学生さんが市民の方たちと環境に関する活動をしたいけども、まだざっくりとしか考えていないので相談プラスαをお願いしたいという相談に来られてましたね。

何かをやりたいんだけれども、どうしたらいいのか?何から手を付けていったらいいのか?っていう内容がここ最近特に多くなってます。ちょっと前であれば太陽光パネルを設置したいと言う人が多かったですね。

若い方たちは自分たちで何かを始めたい。年配の方たちは知識が豊富なので更に深く学習したいという感じですね。そういったことで学習のために図書を借りていく方も多いです。

EC:藤田さんがサポセンに入って1年が過ぎたということですが、この1年間で藤田さんご自身が何か変わったことはありますか?

藤田さん:ここに入るまでは難しい知識とか私には無かったので、まず本と新聞を読むようになりましたね(笑)。あとは、今までありえなかったんですが、環境省や北海道のホームページなんかも見るようになりました(笑)。

EC:色んなところにアンテナを張るようになったということですね。

藤田さん:そうですね。サポセンに入る前は好きな動物のことや食のことなどに興味を持っていましたが、今は来館される方が求めるニーズが広いので、幅広く対応出来るような努力をしています。ただ、すべてにおいて深い知識を持つことは出来ませんので、どうしても広く浅くという感じにはなってしまいますけど。

EC:私も会社で環境担当をしていて、環境に関する法規制からごみの分別まで幅広い質問が会社中から来るので、そういったところでは藤田さんの立場と共通していますね。どうしても、自分が自分がっていう感じではなく、みんなのためにってなってしまいますよね。

藤田さん:そうですね。前はサラ〜って見逃すような新聞のタイトルも、今は環境に関係しそうな温暖化とかCO2とかの単語があったらまずそこを見たりとかしちゃいますね(笑)。

EC:時間が無くても取りあえずタイトルくらいはチェックしちゃいますもんね!

藤田さん:以前、太陽光パネルの助成金のお問い合せをされてきた方がいて、朝刊の記事のことをおっしゃっていたんですね。「朝に新聞を読んでおいて良かった〜!」ってこともありました(笑)。カウンター業務ということもあり来館される方と接する立場なので、普段の情報収集が本当に大事だと思います。

EC:そういった普段の積み重ねが自分のためにもなりますしね。

藤田さん:そうですね。これからも広く情報を収集してサポセンを利用していただくみなさんのお役に立てるように頑張りたいと思います!





次回はサポセンの施設概要などをお届けします。




▲北海道環境サポートセンター
環境保全の活動支援を具体的に行う窓口として、北海道環境財団が運営する施設。環境に関連した図書や展示、いろいろな団体の行事情報などを常設。


北海道環境財団
http://www.heco-spc.or.jp/

サポセンほっこりだより。
http://www.heco-spc.mo-blog.jp/saposen/


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2009年04月01日

EPO北海道 吉村さんA

『生活や経済活動は必ず自然と繋がってくる』

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環境省北海道環境パートナーシップオフィス 吉村 暢彦さん

「芯を通して企業は環境と経済の両立を探って欲しい。スタートが省エネでも環境マネジメントでもいい。最終的に商品開発とか、企業戦略の中心に据えられるようなアイデアを持って欲しいし、一緒に考えられたら」とCSRやESD、生物多様性などをキーワードに環境・CSRの促進活動を展開する吉村さんにお話を伺いました。



北海道だから生物多様性

インタビュアー(以下EC):ではEPO北海道として今後予定している展開とかありましたらお話ししていただけますか?

吉村さん:まだ、確定していませんが、もう一人のスタッフの有坂が農林水産業をテーマにして行きたいと申してまして(笑)。

北海道の産業を考えたときに農林水産業は外せないところですよね。環境と観光は少しずつ取り上げられてきていますが、環境と農業、環境と水産業等といった環境と一次産業という視点をもっと進めていければと思っています。個人的にはこの中に含まれる「生物多様性」という観点に注目しています。CSRと生物多様性が次のターゲットです。

▲生物多様性
生命の豊かさを包括的に表した広い概念で、その保全は、食料や薬品などの生物資源のみならず、人間が生存していく上で不可欠の生存基盤(ライフサポートシステム)としても重要である。反面、人間活動の拡大とともに、生物多様性は低下しつつあり、地球環境問題のひとつとなっている。


EC:まだ、生物多様性というのは認知度が低いですよね。

吉村さん:そうなんですよ。北海道だからこそ生物多様性が大事だと思うのですが・・・。

この前参加したセミナーでも「里山」というキーワードが出ていました。本州の方が話すと生物多様性と里山というセットが多くなります。
でも、そんな話がでると必ず「北海道に里山はない」って意見がでます。里山という概念ではないのかもしれませんが、北海道には本州にはない大自然の近さがあります。観光や農業、水産業等が大きな産業である北海道は、言わば自然の上で飯を食っている、食わせてもらっていると考えてもいいのではないかと思いますので、里山の考え方も吸収して生物多様性を考えていくことができると思っています。

▲里山
集落や人里などに隣接している山で、樹木を伐採後などの森林の再生が図られて、人間の影響を受けた生態系が存在している状態。


EC:食糧自給率も日本全体だと約40%しかないけど、実は北海道だけであれば約200%もあるんですよね。なので改めて北海道を見直すというか、立ち返って経済の活性化に繋げて掘り起こしていければ新しい北海道の良さが出てくるかも知れませんね。

▲食糧自給率
1国内で消費される食料のうち、どの程度が国内産でまかなわれているかを表す指標。


吉村さん:“タコ足食い”って言葉がありますよね。自分で自分の足を食って最後には食うものがなくなったっていう話。僕は、北海道はタコ足食いをしていると思うんですよね。

先程も言いましたが、北海道のメイン産業は観光と農林水産業等一次産業だと思います。

例えば観光。風景がいいからそこにアクセスできる道路をつくった。でも、道路をつくったおかげ良い風景が台無しになった。なんて極端な話ですが大なり小なりあると思います。

昔と今の土地利用を比べるとものすごい量の森林がなくなっています。必ずアセスメントを行っているとは思いますが、その工事の範囲では大丈夫という評価でもそれが積み重なれば、すごい変化になっているのが分かります。

そこにあった風景が無くなっていたり、生き物の生息地が無くなっていたり付随する変化は多いと思いますよ。なんか北海道の魅力を削っているような気がしてならないです。そう考えたら、生物多様性っていう良いキーワードがでてきているので、このキーワードを活かして色々な事が出来れば、違う展開を起こせるかなと思いますね。

EC:今、環境問題が大きく取り上げられてきているけど、地球温暖化というのも実は生物多様性にぶら下がっている問題の一つなんだよというところから、私も会社で生物多様性というキーワードを使って行こうと思ってたところなんです。

吉村さん:そうですね。生物多様性はCSRの考え方その物だと思っていますね。さっきのタコ足食いではないですが、自社の立っているフィールドを守らずして発展はないですよって考えれば、生態系への影響を必ず考えるようになると思うんです。

多分C無しで、北海道にどうな影響を与えているんだろうってところからSRを考えていかないといかんなぁと思うんですよね。

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EC:調度、名前が出たので有坂さんにも少しお話を伺いたいと思いますが、まだ骨組みとかはまだ決まっていないとは思いますが、農林水産業とか観光を絡めた来年度の展開について、お話しして頂ける範囲で結構ですので有坂さんなりに考えていることをお話ししていただけますか?

有坂さん:はい、北海道の産業と言えば農林水産業。北海道では、そこを無視して環境は考えられないだろうと思うんです。一次産業は自然から作物なり魚などをもらって供給している訳じゃないですか。一番環境に近い産業なんですよね。

それはやっぱりEPO北海道として絡めていきたいと思っていて、環境問題というと堅かったり遠いようなイメージがあるじゃないですか。でも、食べることは身近なことなので、身近なことから考えてもらえるようなこと、食育というか食べるという基本のことから環境のことを考えてもらいたいと思っています。

「このような環境問題によって、○○が食べられなくなりますよ。」というようにすると、一般の人が取っつきやすいと思うんです。

氷が溶けてホッキョクグマが居なくなっちゃうかもとか言われて、可哀相とか思っても自分の問題じゃないから関係ないみたいな感じになると思うんですね。だけど、自分がいつも食べているものとかが影響するんだとか思ったらかなり実感として持てるんじゃないかという風に私は思ってるんです。

農業や水産業と環境の関わり方。例えば、獲りすぎ、農薬等の使用に始まって、省エネや省資源、生態系の持続可能性等、一次産業の人たちに考えてもらいたいというのもあるので、もっと環境に関わって欲しいと思っています。

それと、研究者の人たちも良い研究をしていると思うんですけど、それが世に出ないのでもっと世に出して欲しいとも思ってるんです。

吉村さん:そういったところでもっと出していければと思ってESDのセミナーというのを開催しているというのもあるんですね。

有坂さん:そういった研究者の人たちをもっと出せる場も作っていきたいですね。

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EC:研究者ではないけども、若い人たちが無農薬農家を始めたりとかの話を聞いたりするのですけど、実は世に出ていないだけで現実に取り組んでいる人たちも身近にいますからね。

有坂さん:困っていてどうして良いか解らない生産者の人たちがいるんで、そういうところを上手く研究者の人たちと繋げて、アイデアを交えて良い方向に持っていけたらというのもあるんですね。

吉村さん:問題の根底を辿っていくと俺の代で終わりだから好きなだけ魚を捕ってもいいんだみたいな人も中にはいるって聞いてるんですけど、だんだん魚も捕れなくなっているじゃないですか。最後自分が食べていければいいみたいな。そうなると後継者問題にも繋がってくるんですね。

後継者がもっといればその人たちのためにという発想が生まれるかもしれない。未来の子どものためにと言うよりも具体的に次の担い手のために管理していこうかなという考えが健全な考えだと思います。産業の中で担い手の鎖が切れ始めていることも問題の一つですね。

有坂さん:それはあると思います。どこも話を聞くと後継者不足と言います。漁業関係者だとだいたい平均60歳以上です。

吉村さん:一方で、派遣切りの話もありますが、切られた人たちはなぜ地方に行かないのか?なぜ東京にいるんだろう?って思うんですね。

人が偏っている、お金が偏っている感じがしますね。



環境と経済の両立を探って欲しい

EC:EPO北海道の活動から多くの企業を見てきていると思うんですけど、お2人に我々企業側に対して要望や提案、意見などを頂いて終わりにしたいと思います。

吉村さん:いっぱいありますけど(笑)。

まず大きなポイントは環境で稼いで欲しいと思うんですよ。環境で稼いで自分の芯を通してもらえれば企業活動として成り立っていけるだろうし、企業には環境と経済の両立を探って欲しいと。是非、突き抜けて欲しいですね。

例えば、スタートが省エネでも環境マネジメントでもいいんですど、最終的には商品開発とか企業戦略の中心に据えれることができるようなアイデアを持って欲しいし、一緒に考えられたらなと思いますね。

それと、僕も企業人だったことがあるので解るんですけど、企業の中も村社会だと思うんです。僕は工場の中の村に住んで居ましたからね。そんな中で、何かやろうとすると時間がかかりますし障壁も多いと思います。ただ、火は消さないようにして欲しいとなぁと。大同印刷さんや他の企業の環境担当者の方に最後まで足掻き続けて欲しいなぁと思いますね。

その時にCSRやESD、温暖化やら生物多様性やら色んな考え方、ツールを上手く使って、上手く行政を使って、他でやっていることを上手く使って、ムラを動かすためのトロイの木馬みたいになって欲しいなぁと思います。

いい時期が来るまでがんばって欲しいですし、その時期が来るまで情報収集して使えるネタを持って準備しておいて欲しいなぁと思いますね。それが企業の発展するためには重要なところかなと思います。

EC:継続して行かなければ芽も出ませんからね。環境担当者としては継続は力なりということを常に念頭に置いて今後も情報収集しながら準備して行きたいと思います。

吉村さん:ある一定の塀の中で活動していると視野が狭くなって、入ってくる情報も偏って来るし、そこから外を見るというのは大変な労力ですからね。

環境の担当の方って、前の会社の時でもそうだったんですけど、守る人なんですよね。コンプライアンスの順守とか。でも、僕は環境担当者って本当は営業に近いと思うんですよね。環境で営業する担当って感じです。

▲コンプライアンス
企業におけるコンプライアンスの意味として、法律や規則などの基本的なルールに従って活動を行うことで、近年、法令違反による信頼の失墜や、それを原因として法律の厳罰化や規制の強化が事業の存続に大きな影響を与えた事例が繰り返されているということから、企業活動における法令違反を防ぐという観点からよく使われるようになっている。


吉村さん:環境経営には環境営業みたいなのが必要になってきて、それが環境担当者が一番強みを発揮できるところなので、本業に直結するようなアイデアで商品開発したり、裏表が出来ないように社内を統一したり、社内外の整合性を取ったりと、なんか大変そうですけどそんな環境営業できる方が増えてくるといいだろうなぁって思っていますね。

EC:環境担当としては、社内の環境マネジメントシステムの継続と共に、環境を通して会社の内と外を繋ぐパイプ役にと考えていて、今話に出てきた環境営業というようなことも今後の重要なポイントですね。

吉村さん:企業活動に直結した成果があると分かり易いですね。普通だったら商品が売れたら成功となるわけですけど、環境のことやってますと言うだけだと評価はしにくい。そこに陥ったら環境担当の人達って辛いんだろうなと思うんですね。

だから、会社独自の環境パッケージみたいなのがあるといいんじゃないかなぁと思いますね。これをやったら、これだけの環境配慮に貢献できますよ!って分かるもの。印刷業だったら、このインクはCO2削減量○○、この紙は○○って感じで、それを印刷した際に記載しましょう!ってお客さんと一緒に、消費者にアピールできるようなパッケージがいいですね。

有坂さん:お金にならないと継続していけないと思うので、環境はお金にならないなんてことはないと私は思ってます。お金を稼ぐ道を模索して欲しいなと思いますし、一緒に考えていければと思います。

EC:CSRやESDなどのキーワードを通していろいろと学ぶことが出来ました。いつか環境と事業が結びつく展開を一緒に考える機会があれば是非ご相談したいと思います。その時はよろしくお願いします。

どうもありがとうございました。




▲環境省北海道環境パートナーシップオフィス(EPO北海道)
持続可能な社会の形成を目的として、環境保全活動を促進する基盤づくりを目的に活動する環境省のプロジェクト。

EPO北海道 http://www.epohok.jp/
北のCSR http://www.epohok.jp/hcsr/



※現在吉村さんは「北海道大学大学院地球環境科学研究院 GCOE環境教育研究交流推進室」にて勤務されています。
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2009年02月25日

EPO北海道 吉村さん@

『生活や経済活動は必ず自然と繋がってくる』

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環境省北海道環境パートナーシップオフィス 吉村 暢彦さん

「芯を通して企業は環境と経済の両立を探って欲しい。スタートが省エネでも環境マネジメントでもいい。最終的に商品開発とか、企業戦略の中心に据えられるようなアイデアを持って欲しいし、一緒に考えられたら」とCSRやESD、生物多様性などをキーワードに環境・CSRの促進活動を展開する吉村さんにお話を伺いました。



子どもの頃に虫取りをした空き地が原点

インタビュアー(以下EC):環境省北海道環境パートナーシップオフィス(以下、EPO北海道)で、環境保全活動やCSR(企業の社会的責任) の促進などに取り組まれている吉村さんですが、EPO北海道のお話をお聞きする前に、環境活動をするきっかけというのをお話ししていただけますか?

吉村さん:未だに覚えているんですけど、6〜7歳のころ、家の近くに虫取りをよくしていた空き地があったんです。突然そこにブルドーザーがやってきて、宅地か駐車場をつくるために壊しますってなったんですよ。

当時は、将来、昆虫学者になりたい!って思うくらい虫が好きで、それを知ったときには「虫の棲む、この遊び場が無くなる!」ってすごく腹が立ったし、同時に、なんだか寂しい気分にもなりました。今思えば、その時の記憶が環境への目覚めだったんじゃないかと思います。

その後、小中高と進むに連れて、環境への関心は薄くなって…酸性雨くらいは知ってましたけど。大学への進学の時は将来なんか全然考えていなくて、飛行機に乗れるからって北海道を受験して、定員の多いところなら受かるかもって理工系を受けたんです。

入学後は体育会の部に入って脳ミソ=筋肉みたいな時間を過ごしていましたが、2年生の終わりに学部をしっかりと決めなきゃならない時になって始めて考えて、兄の影響もあって、理工系にいたのに農学部に入ったんです。まあホントの理由は理工系だと女の子が少ないからなんですが…。そんなことで次第に環境関連って将来の方向性が定まってきたという感じでした(笑)。

EC:吉村さんは九州の福岡県出身でしたよね。

吉村さん:はい。高校卒業して北海道に渡ってきました。

その後、日本製紙に就職して宮城県の石巻工場に配属になりました。日本製紙は持続可能な森林経営を実現する「ツリーファーム構想」というのを掲げていて、原料調達のための畑のような輪作を行う森をつくっていました。ツリーファームは、オーストラリアとかチリとかにありますよ。ただ、入社したときには国内の社有林の管理がしたいと思っていましたが、メインの部門ではなかったので、社有林の管理に新人が配属されることもなく、工場で海外からのチップ受け入れの管理をしていました。

工場勤務をしているとずっと先が見える気がするんですよ。5年後には、10年後には、なんて。実際そんなことはないのですが…。

若気の至りで野心が生まれて、環境コンサルの会社を作ろうと北海道に戻ってきたんです。それからどっぷりと浸かっているという状況ですね(笑)。

なので、EPO北海道に入る前はどちらかというと事業系だったので、僕個人としてはNPO・NGOっぽい動きはしていませんでした。



CSRは本業だ!

吉村さん:CSRに関わったというのもEPO北海道に入ってきてからなんですよ。

▲CSR〜企業の社会的責任〜
CSR(Corporate Social Responsibility)は「企業の社会的責任」と訳され、企業が利益、経済合理性を追求するだけではなく、ステークホルダー(利害関係者)全体の利益を考えて行動すべきであるとの考え方で、環境保護のみならず、法令の遵守、人権擁護、消費者保護などの分野についても責任を有するとされている。


EPO北海道の立ち上げの時に検討委員会で、下川町在住の委員の方が下川町の持続可能な森林を活かしたまちづくりを考える上でCSRは重要なキーワードだって仰っていて、それからCSRがEPO北海道の事業の柱になりました。

まだCSRって言葉も北海道では浸透していなかったと思うので、シリーズもののセミナーを開催しました。札幌大同印刷(以下、大同印刷)さんにも発表して頂いた第2回セミナー(中小企業におけるCSRがテーマ)で、恥ずかしながら自分自身も整理できました。

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▲CSRセミナー
第2回CSRセミナー「中小企業のCSR活動を考える」2006年9月25日(月)主催:EPO北海道 中小企業の環境への取り組みにスポットを当て、いかに事業の中に環境の視点を盛り込んでいくのかを探ることを目的とし、
中小企業におけるCSRの考え方の講演を大阪大学金井教授に、事例発表として中小企業の取り組みを向山塗料株式会社、有限会社町村農場、札幌大同印刷株式会社の3社が発表した。


EC:この時に企業の取り組みを見聞きして、吉村さんのCSRに対しての方向性が定まったということなので、お役に立てて光栄です(笑)。

吉村さん:その節はありがとうございました(笑)。

それで、このCSRセミナーの中で、大阪大学の金井一ョ教授が「CSRは本業だ!本業だ!」って言っていて、事業そのもので実施すること、そして環境を利益に繋げることが企業にとっては重要なんだ!って悟りました。

EC:私も金井教授のCSRの解説は解りやすく、とても参考になったのを覚えています。

吉村さん:金井教授の講演聞いて、その後、向山塗料さん、町村農場さん、大同印刷さんの事例発表を聞いて、「あっ、みんな事業に繋がっている!」って思ったんですよ、実は(笑)。

あのセミナーの後に産地偽装のような企業の不祥事が続いて、世の中にCSRと言う言葉が広がり始め、コンプライアンスがどうのこうのというのが普通に世間に出るようになったじゃないですか。で、その時に社会貢献じゃなくて、本業が、社会や環境にインパクトを与えている、または与える可能性のあることに対して責任を持って行動しないと社会は納得しないんだなって雰囲気を感じました。

それから「大企業も中小企業も関係なく社会に対する責任を本業でしっかり果たすってのが筋だよなー」って実感が生まれてきましたね。

法人を個人に置き換えれば分かりやすいと思うのですが、口で良いこと言っていても、実際には何もやってなかったら「あの人は口だけだ!」ってなりますよね。結局「良い法人ってなんだ」って考えると、CSRってすごくシンプルに考えることができると思います。



相容れないところを認識するのが最初のCSR

EC:次にEPO北海道の活動についてお話をお聞きしたいと思いますが、まず活動目的をお話していただけますか?

吉村さん:今、環境業界はお金も人も無い状態じゃないですか。じゃあどうやって解決しようかってところで、結局それぞれの出来ること出来ないことをしっかり穴埋めして、繋いでいくしかないですよねっていうのが発端なんです。

EC:それは、企業も市民団体も同じということですね。

吉村さん:そうですね。で、やりたいことをやるにもリソースが限られている中で、最大効率を出すにはパートナーシップというのが大事です、
というところが大きな目的になっています。

EC:では、目的のためにどのような活動を行われているのですか?

吉村さん:それぞれの地域で起こっている事例とか、こんな人がいた、というようなことを取り上げて伝えていくことですね。

EC:口コミによるパートナーシップへのきっかけ作りですね。

吉村さん:そうですね。釧路に行ったら網走や稚内のことを話したり、会う人会う人に嫌っていうほどに話しまくってますね(笑)。それが一番メインの仕事なのかなって思います。

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吉村さん:基本的には、相互補完のためのパートナーシップになればいいなってことでお話をしていますが、その人との話を整理するポイントとしてCSRがあったり、ESDがあったり。その他、いろいろな環境のキーワードを使いながら話をしているという感じです。そしてその延長線上で、セミナーを開催したりしています。共通点づくりって考えた方がいいかもしれませんね。

CSRや環境保全活動を突き詰めていくと、どこかと手を組まないと出来ないところが出てくるはずですが、共通のキーワードがあれば一緒にやろうよという発想も生まれやすくなると思います。

EC:パートナーシップは企業と市民団体に限らず、企業と企業でも市民団体と市民団体が手を結んだってよい訳ですしね。

吉村さん:そう思います。相手はどこでもいいと思います。必要な相手なら。分野は関係なしです。

EC:吉村さんなりのCSRの解釈というのはありますか?

吉村さん:まぁCを取ってSRで良いと思うんですよ。皆さん、必ずやめられないことがあると思うのですが、企業であれば製品やサービスをつくることはやめられないだろうし、個人だったらこの趣味はやめられないなんてのもあると思います。

例えば走り屋だったら車で走れなくなったら嫌ですよね。どんな活動でも必ず環境にインパクトを与える側面があるはずなんですが、自分がやめられないことが、どんなインパクトを与えているかをしっかり認識するのがSRのスタートではないかと思います。

じゃあ、自分の与えているインパクトをどうしていこうか?ということを企業について考えていけば、CSRっていうのが自ずと見えてくると思っています。ただ、インパクトを与えている範囲が意外なところにまであるということを認識して把握していくことは労力もかかるし難点も多いので、「なんか難しいもの」になっているのではないかと思っています。

これは、何も企業だけではないと思いますね。個人も市町村も都道府県も国にも同様のことを考えないといけないと思います。以前、釧路市がCSRという言葉を使い始めて、行政全体がCSRを考えるんだって打ちだしたんですね。Cではないとは思いますが、社会のSR事業するのが行政の役割と思っていましたのであり方を再確認したんだなって思いました。



ESDとは問題解決の垣根を取り払うキーワード

EC:ESD(国連持続可能な開発のための教育の10年)というキーワードが出てきましたけど、これはどうのような取り組みなのかお話ししていただけますか?

吉村さん:ESDというのは2005年から始まっています。分野を超えたつながりを考えていこうというものです。

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▲ESD(国連持続可能な開発のための教育の10年)
持続可能な開発の実現に必要な教育への取り組みと国際協力を、積極的に推進するよう各国政府に働きかける国連のキャンペーン(2005年〜2014年)。


吉村さん:環境問題にしても、福祉の問題にしてもそれぞれに出来ることは限られていて、実は環境と福祉では、問題の構図が似ている場合が多かったりするんです。

「人、物、お金がありません」とか、「経済構造が官に頼っている」とか、問題の根本が似てる場合がある。その垣根を取っ払えば、お互い相互補完できる場面がでてくる可能性がある。

例えば、福祉施設で、ゴミ拾いやリサイクル活動をやっていたりしていますので、そんな活動がそれらを専門とする環境団体や企業とつながっていけば、活動に経済性がでてきたり、発展できる可能性がでてきます。

もしかしたら、環境分野では解決できていない課題を、他分野で解決している事例があるかもしれない。分野の壁を取り払って交流を促し、問題の解決や次へのアイデアを生み出していきたいというのがESDの大きなところと思っています。

ただ、EというのはEducationの略なので教育活動なんですよね。教育っていうと対象は子どもってなりがちですけど、そうじゃなくて大人も含めて触発しあうという教育が基本でいろんな問題解決に係る学舎みたいなのがESDということなんです。

垣根を取っ払うというのがEPO北海道に大きく関係するキーワードというところですね。

EC:パートナーシップのツールの一つということですね。

吉村さん:そういうことになりますね。

以前、環境活動の人が集めた古着を寄付するところを探していて、福祉団体が予算の関係で活動に使う布を必要としていて、古着を集めたい人たちと欲しい人たちを繋げたことがあったんです。

実はこういう活動を打診するときに「ESDというものがありまして…」と言うと、「なんだそれっ!」てなって詳しく話を聞いてくれたり、上の人に話を通してくれたりすることもありました。

EC:私が環境担当という立場だからかもしれませんが、他企業などの活動でもちょっと見方を変えると、これも環境活動に繋がっているんじゃないかということはありますね。

企業も環境担当者もISOという観点に捕らわれてしまうと視界が狭くなってしまいますが、ESDというフィルターを通して視野を広げることで見方が変わると言うことですね。

吉村さん:そうですね。ESDという考えを皆さん知っていればなぁと思いますね。勝負に勝つ常套手段じゃないですけど、事前にどれだけ情報収集しているかで勝率が上がりますよね。良い活動をしていくにはやはり自分の分野の情報だけではだめだと思うんですよ。分野を越えれば、ハッとするアイデアやモデルがある場合が多い。

みんな知ってることを知っているだけだったら何も生み出せないと思います。

EC:函館でもESDをテーマに活動していますよね。函館の友人に聞いた話ですが、そろそろ自分たちで自立して進めて行けるんじゃないかという人たちもいるそうで、そう言ったESDによる種が北海道の各地で芽を出し始めているということを考えると、EPO北海道がESDをキーワードに活動してきた成果が見えてきたという感じですね。

吉村さん:やってる人はすでにやっているがESDだと思うので、成果って言ったら申し訳ないですよ。

ただ、あくまでも僕なりの解釈ですけど、ESDは生き残っていく知恵としてすごく良いなぁと思いますね。知らない人は知らないと損ですよ!



次回は生物多様性による新しい展開や環境と経済のお話をして頂きます。



▲環境省北海道環境パートナーシップオフィス(EPO北海道)
持続可能な社会の形成を目的として、環境保全活動を促進する基盤づくりを目的に活動する環境省のプロジェクト。

EPO北海道 http://www.epohok.jp/
北のCSR http://www.epohok.jp/hcsr/



※現在吉村さんは「北海道大学大学院地球環境科学研究院 GCOE環境教育研究交流推進室」にて勤務されています。
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